日本文化の一つの特色

2011.11.19

修学旅行を経験したことがない日本人はごくわずか、いやほとんどいないといってよいだろう。いったいこれほど多くの人間が、団体で旅行を経験する国が世界中にあるだろうか。ほとんどすべての国民が、小・中学校で一度ずつ、修学旅行に行く。そしてさらに高校でも修学旅行を経験することになる。じっさい、全国の小・中・高校の9割以上という驚くべき率で修学旅行が実施されているからだ。1993、94年(平成5、6年)に行なわれた日本修学旅行協会の調査によれば、修学旅行の実施率は、全国の小学校で93パーセント、中学校97パーセント、高校93パーセントとなっている。

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高校では定時制の実施率68パーセントを含めた数字で、全日制だけだとほとんど100パーセントに近づく(日本修学旅行協会『修学旅行のすべて』1996年版)。一方、どれだけの学校が実施するかとは別に、どれだけの生徒が修学旅行に行くかという参加率は、小・中いずれもが99パーセント、高校が97パーセントをこす。学校が修学旅行を実施する場合は、全員が参加するといってよいほどの高率である。結局、全体をまとめていうなら、日本の小・中・高校生の9割強が修学旅行を経験するという結論になる。じつに修学旅行は、国民誰もが一定の年齢ごとに経験する普遍的な行事であり、一種の「通過儀礼」ともいえるだろう。修学旅行は賛成・反対さまざまに意見が分かれる。しかし私の考えでは、行かないよりは行くほうがはるかによい。旅行が、どんな形で行なわれるにせよ、それが人間形成にとってとくにマイナスになることはないと考えるからである。