民俗学的にも重要な温泉文化

2011.12.31

園芸についても、北海道函館市の湯の川温泉にある「函館市営熱帯植物園」、静岡県南伊豆町の下賀茂温泉「下賀茂熱帯植物園」や、宮城県大崎市の鳴子温泉「ORAGA鳴子の熱帯植物園」などで温泉が利用されている。これらは、温泉の利用法を観光的に可視化したものと考えることもできよう。人間が生活するうえで、高温の湯は必要不可欠なものである。しかしそれを手に入れることは、そうたやすいことではなかった。水道や電気・ガスがない時代には、水を汲み、薪などを燃やさなければならなかったからである。

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温泉地では、それを得ることが容易であり、入浴以外にもそのエネルギーを活用する方法が生み出されてきた。そして現在おこなわれているもっとも大規模な利用法が、地熱発電であろう。地熱発電所は、わが国で最初に建造された岩手県八幡平市の「松川地熱発電所」や、最大の発電量を誇る大分県九重町の「八丁原発電所」をはじめとして、平成二十二年現在十八基が稼働している。その多くは、温泉地の近くに位置する。こうした多彩な利用法は、人と温泉の密接な関係を物語っており、民俗学的にも重要な温泉文化なのである。